サイトを運用すると、いろいろとGoogleのサービスにお世話になる機会が増えます。なかでも真っ先にやっておいたほうがいいのがGoogleサーチコンソールへの登録ですが、そこでやらかしてしまいました。
Googleサーチコンソールでのサーバー所有権設定でつまづいたところの記録です。
この記事の内容
Googleサーチコンソールにドメインを登録する
サイトを運営するとき、Googleサーチコンソールに登録しておくと、サイトが確実に検索インデックスに登録されているかを確認したり、登録の申請を行うことができます。
つまり登録していないサイトに比べると、ページの追加や更新をGoogleに早く知らせることができます。
通販やアフィリエイトなど、ネットでの集客を狙っているサイトにとっては、とても便利で重要なサービスなのです。
サーチコンソールでの所有権確認とは?
サーチコンソールへの登録は検索順位が付く前の段階で、Googleに確実にサイトを認識してもらう重要なステップです。
このとき、利用者がサイトの正当な権利を証明するための手続きが所有権の確認です。
所有権確認方法は2種類ある
所有権をサーチコンソールに確認してもらう方法には大きく2タイプがあり、さらにタイプごとに手続き方法が違います。
この大きな2タイプのうちひとつがURLプレフィックスという方法で、簡単にいうとhttp://~やhttps://~で始まるサイトのURL(アドレス)を登録します。
もうひとつがドメインの登録で、こちらは名前の通りドメイン部分だけを登録します。
ふたつの登録方法はどこが違う?
ふたつの違いをもう少し具体的に観ていきましょう。
たとえばexample.comというドメインを所有していて、以下のような構成でサイトを運営しているとします。
http://www.example.com/ :メインサイト
http://sub1.example.com/ :サブドメインサイト1
http://sub2.example.com/ :サブドメインサイト2
http://sub3.example.com/ :サブドメインサイト3
http://sub4.example.com/ :サブドメインサイト4
このように5つのサイトを運用しているとき、URLプレフィックス方式だと5つのサイトすべてをサーチコンソールに登録しないといけません。
それに対し、ドメイン登録の場合は
example.com
というドメインひとつだけを登録しておけば、あとのサブドメインは自動的に認識して登録してくれます。
登録はひとつだけですが、サーチコンソールはサブドメインをちゃんと分類してくれるから、サイトごとのインデックス状況なんかはそれぞれ個別にチェックできます。
ただし、登録だけなら簡単なんですが、その先に所有権の確認という作業が必要です。今回、ここで引っかかってしまいました。
登録方法の違いで、確認手続きも違う
URLプレフィックスの指定とドメインの登録では、サイトについて所有権を確認する方法が違います。
URLプレフィックス方式だと、いくつかの方法があります。
サーチコンソールが発行するHTMLファイルをいったんダウンロードしてそれを自分のサイトのサーバーにアップする方法、同じくサーチコンソールが発行するタグをWebページの中に書き込んでおく方法、Googleアナリティクスを利用する方法などです。
これに対しドメイン方式では、DNSサーバーにTXTレコードという文字情報を追加します。TXTレコードはサーチコンソールが発行してくれますが、これをDNSサーバーに追加する方法はかなり慣れた人でないととまどうでしょう。
作業そのものはテキストをコピー&ペーストするだけで簡単ですが、設置場所のほうがふだん扱うことがないところだし、なにをしているのかわからなくて不安になることもあるかと思います。
所有権確認でひっかかってしまった
さて、ここからが私が遭遇したトラブルというか知識不足による勘違いについてのお話本番です。
前述のとおり、サーチコンソールにドメイン単位で登録したら、その後の所有権確認ではTXTレコードをDNS設定に追加するという作業が必要です。
これはURLプレフィックスでの、HTMLファイルをアップロードしたりタグをページに書き込んでおくのに比べると、だいぶ高度な作業でそれなりの知識が必要です。
サーバーとドメイン管理が別会社だった
まず、いま見ていただいているこのサイトですが、Xreaでレンタルしたサーバーにムームードメインで登録したドメインを組み合わせて運用しています。
ふつうXreaだとValue-Domainでドメインを取得するほうが簡単だし、ムームードメインでドメインを取るならロリポップやヘテムルサーバーのほうが運用が簡単です。
しかし、このサイトはXreaとムームードメインという、運営が異なるふたつのサービスを組み合わせて利用していました。
TXTレコードはどこに登録すればいい?
このケースでサーチコンソールにドメインを登録する場合、ドメイン管理会社とサーバーが同じ系列だったら、例えばムームードメインとロリポップあるいはヘテムルサーバーの組み合わせだったり、XreaとValue-Domainの組み合わせだったら、設定はたぶん簡単だったと思います。
しかし、サーバーがXreaでドメイン管理がムームードメインだったので、サーバー運用の知識があまりない私は混乱してしまいました。
DNS設定にTXTレコードを追加するとき、うっかりムームードメインのほうに設定してしまったのです。
DNS設定をすっかり忘れている・・・
サーバーをレンタルすると使用するDNSが指定されているので、それをドメイン管理設定の方に登録します。これで、自分が取得したドメインが世界的に知れ渡ることになります。
今回の例だとXreaで使用するDNSはValue-Domainが運用していて、そのValue-Domainで決められたDNSをムームードメインで取得したドメインに設定することになります。
ところがこのサーバーとドメインの組み合わせで使い始めたのはもう10年以上も前で、当時どんな形でドメインを設定したのかもよく覚えていないし、管理画面のレイアウトもバージョンアップですっかり変わってました。
サーチコンソールの指定どおりTXTレコードを追加しようと思っても、サーバーであるXreaの管理画面にはそれらしいところがありません(当たり前なんですが)。
そこで適当に、ムームードメインの方のDNS設定にTXTレコードを書き込んでしまったのです。
所有権確認はできたのに・・・
ドメイン設定にTXTレコードを書き込むのは簡単です。書き込む場所さえわかればあとはコピー&ペーストだから、文字を打ち間違えてエラーを引き起こすようなことはまずありません。
そして、このやり方でサーチコンソールへの登録はうまくいき、ちゃんとドメインの所有権は確認できました。
しかしその代りに、サイトへのアクセスができなくなっていきました。
ドメイン設定を変更すると、それがネット上に行き渡るまでは数日かかる場合があり、Webページへのアクセスやeメールの使用が、できたりできなかったりする不安定な状態になります。
そして今回はDNSの設定を間違ってしまったため、だんだんと自分のサイトが表示されなくなっていきました。
繰り返しますが、TXTレコードの書き込みはコピー&ペーストだけなので間違いありません。ただそのTXTレコードを書き込むDNS設定そのものを間違えてしまったのです。
サイトは消え、メールは読めなくなっていく・・・
DNS設定のミスはまずeメールに現れました。メールの受信ができなくなったのです。それからだんだん、サイトにアクセスできなくなっていきました。
メールはいきなり使えなくなったのに、サイトの方はアクセスできるサブドメインとできないサブドメインがあったりして、ちょっと混乱します。
それでも時間が経つにつれてだんだんとアクセスできないサイトが増えていきました。
DNSはサーバー指定のものを使え
今回失敗したのは、ムームードメイン側にあったムームーDNSにうっかり触ってしまったことでした。もちろんムームードメインで取得したドメインを系列のロリポップやヘテムルサーバーで運用するなら、このムームーDNSを使えばよかったはずです。
でも今回はムームードメインで取得したドメインを、いわば部外者のValue-Domainが提供しているDNSと組み合わせなければいけなかったのでした。
つまりTXTレコードはValue-Domain側のDNS設定に追加しなければならないのです。
ドメイン、DNS、サーバーの関係をきっちり理解していれば、本来こんな勘違いは起こらないはずなんですが、ついうっかりやってしまいました。
ドメイン設定に、正しいDNS設定を書き戻す
ようやくDNS設定が間違っていたのに気づき、Value-Domainの管理画面にアクセスしてDNSサーバーの名前を確認したら、ムームードメインの設定へ戻って間違って書き換えてしまった設定を破棄してから、もういちどValue-DomainのDNS名を設定します。
これですぐにeメールのほうは復活しました。
次に、改めてTXTレコードをValue-DomainのDNS設定に書き込みました。
Value-Domainの管理画面はこの何年も契約更新と支払いの手続きしかやっていなかったので、設定場所を探すのにちょっと手間取りましたが。
ドメイン管理とDNS設定は別もの、くれぐれも注意を
以上が、今回のくだらない失敗の顛末です。
この記事を書いている現在、まだWebへのアクセスは完全に復旧しているわけではありませんが、あと1日程度経てば元通りアクセスできるようになると思います。
本来、生半可な知識でサーバーの設定をいじるべきではないんですが、とはいっても個人利用だと自分で体験してみないとわからないので何事も勉強という面はあります。
サーバーとドメインを別サービスで運用するとき、皆さんはこんなくだらない失敗をしないように気をつけてください。